アートセラピーサロン ま・れうれう 心理カウンセラー・絵画療法士 松谷桂子 連載コラム 第11回「心のケアとアートセラピーvol.1」

心のケアとアートセラピーvol.1

木々の新緑が日差しを浴び、爽やかな風が心地よい季節になりました。
アートセラピー&カウンセリングサロンま・れうれう主宰松谷桂子です。
今回は心のケアについてお話しをします。
わたしは、子どもたちの心をより健全にしていくにはどのような関わり方や在り方が求められるかなということを考えてきました。
そして、たくさんの絵に触れ、絵を通し心は成長し、再生する力があること、信頼することを学び、実際にその瞬間にたずさわることができ、より一層人の心の強さ、優しさ、繊細さをふくめ、心は豊かに鼓動し生きているからこそ、健やかな情動を大切にし、取り戻すことに寄り添いたいという気持ちが年々強い想いになりました。
だからこそ、どんな方にも心をケアすることの大切さを知り、その必要性を実感してもらいたいという気持ちでいっぱいになります。
なぜなら、あなたの心があなたらしく、ニュートラルに世界をみて、感じ、生きていたならば、あなたは幸せであり、あなたの周りの人も幸せだからです。
あなたの心が満たされることで、あなたの周りにはたくさんの幸せなエネルギーが水紋のように広がっていき、家族、お友達、会社、あなたを取り巻く環境が豊かになるから。
自分の心のケアは、自分のためだけに行うことではないのです。

誰にとっても人生は、たくさんの想定外なことが起こり、自分だけではどうにもならないことがあります。
その時、誰もがいっぱいいっぱいで、弱音を吐くことも自分を大切にすることも、心にかなりの負荷をかけていることさえも気づかないままでいます。
また、「やらなくては」「なんとかしないと」「頑張らないと」と緊張して、心はどんどん麻痺してしまいます。

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でも、心の痛みは外からはまるでみえないので、どんなに疲弊しても、傷ついていても麻痺をさせていたらわからないのです。
そのうち、なにかちょっとしたきっかけで感情が溢れ、制御できなくなってしまいます。
心をケアすること、ケアの仕方を知ることは誰にとっても必要不可欠なことだと思います。
特に、子どもたち、思春期、青年期などは自分を信じるために心と向き合う時間を持ってもらえたらなといつも感じます。
心をケアするためには、
1、安心でき、安全な環境が必要です。
これは、評価する、評価されることがなく、ありのままの自分を表現できる場になります。
2、表現したものを受け止め、見守ることができる人がいます。
心理的なバディです。あなたの心にしっかりと寄り添うことができる人がいます。
3、心を表現することができる適切なツールがあること。
音楽、ダンス、詩、絵画など芸術的表現になります。
4、そのことを分かち合い、承認し、発展させていく仲間がいることです。
これらの要素が継続的に体験できる場で初めてアートセラピーが心の再生へ向かっていきます。
場の力、絵の力が相乗効果になっていきます。
わたし自身も、20年くらい、ずっとカウンセリングやセラピーを受けてきました。
時にはがっつり、自分の心と対話し、自分と繋がるや心のなかのファンタジーを旅することに集中したり、時には一緒に学んだ仲間とワイワイとシェアをするなかではっと気づいたりしてます。
その都度、わたしには大切で、唯一無二な時間です。
わたしのトレーナーはわたしに、
「セラピストは、いつでも、どこにいてもセラピストなんだよね、けいちゃん。ツールとかセオリーではなく、セラピストは場を作り、提供していくことに心を込めて、今にいることにベストを尽くす、今、ここにあることを信頼する生き様がセラピスト。」
とまた、ドヤ顏でさらっと言ってました。
学び始めたばかりのわたしは、あたまは「???」がいっぱい。なんを言ってるんだろう、訳がわからんと、ぽかーんとその言葉を聞き流してしまったけど、その言葉は、常にわたしの深いところにいつもとどまりつづけてました。
今、その意味が少し掴めるようになりました。20年もかかってしまったけど。
カウンセリングもセラピーも、誰かの可能性を信じること、本人すらかすかで、 諦めてしまいそうな未知なるささやかなサインを共にみつめていくことを隣で寄り添うこと。そして、タイミングがきたら、そっと離れて、その人のチカラを信頼し、見守ること。トレーナーの言葉を今は。
そんな立ち位置でその場にいることを伝えてくれていたんだなって勝手に解釈をしています。
まだまだ、揺れてしまうけど、セラピーは、誰かを信頼することからはじめる世界なのかもしれません。
わたしは、セラピーの前にいつもいつも自分に言い聞かせている言葉があります。

変えることができることは、変える勇気を
変えられないことは受け入れる強さを与えてください。 by マザーテレサ。

この言葉をお守りに、セラピーの場に自分の身を置き続けています。
心のケアは、誰にとっても必要な時間です。
誰かに利害関係なく、丸ごと信頼させる体験をすることで生きる力を取り戻す事があります。
その体験をした事がある大人が増えていくことが、未来の子どもたちにとって素敵な社会を作っていく一歩になることを信じ、祈りながら活動していきたいと思います。


アートセラピーサロン ま・れうれう 心理カウンセラー・絵画療法士 松谷桂子
監修
アートセラピーサロン「ま・れうれう」
心理カウンセラー・絵画療法士 

松谷 桂子

学校・幼稚園での講演会や子供の絵画分析、企業向けカウンセリング講座、コミュニケーション向上研修会、リスナー教育などを行っている。メディア取材として、のりゆきのトークDE北海道の心理テスト「今日のア・タ・シ」の監修や、道新オントナにて心理テストの監修、ケイコとマナブ(情報誌・リクルート出版)の心理テストの監修など各メディアからの評価も高い。