八巻滋倶(やまきしげみ) 特別連載コラム 予防医学のすすめ〜今私たちができること〜 健康の原点「排泄」

健康の原点「排泄」


前回は健康の原点「呼吸」のお話をさせていただきました。
呼吸。息ともいいますが、息は自らの心を見つめると書きます。息が乱れたり、回数が多いのは、何かしらのストレス、悩み、不安、心配など、心が乱れていることが多いのです。

排泄の中で次にお伝えしたいのは、尿と便。
尿と便のお話をするとき、必ずしなくてはいけないお話。食です。
体は食べたものの変わり身。食と健康の一番身近で基本的なことは、まず自分の手や、手のひら、指を見てみてください。これは私たちが食事をした変わり身なのです。食べ物は心を養い、体を養っています。体に良い食べ物を採っていると、良い心、良い体が育ちます。食べ物は私たちには無くてはならないもの。自分と家族の健康に役立つ食材を選び、キッチンを薬局だと思いながら良い食生活を発信してほしいと思います。
では、良い食べ物とはどういう食べ物でしょうか?

例えば「野菜」。私は野菜を毎日たくさん食べているから健康だ!この考え方はどうでしょうか?
野菜もバランスよく食べる事が必要です。
野菜の育つ性質を大きく分けて、空中に育つもの、地面に育つもの、土の中に育つものがあります。空中に育つものは、七色の太陽光線のうち、紫や青の色を多く吸収しています。この野菜は体を冷やす性質があります。

健康の原点

「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉は体を冷やす性質の野菜は嫁に食わすなという意味なのです。土の中に育つ野菜は、太陽光線のうち、赤、橙、黄の色を多く吸収しています。この野菜は体を温める性質があります。地面に育つ野菜は、太陽光線を満遍なく吸収して体にとって万能な野菜です。
調理法や切り方もそうです。生で、炒めて、焼いて、蒸して、大きく切る、細かく切る、それぞれの調理法で栄養素の取り入れ方が変わります。バランスのよい調理法をお勧めします。

「尿と便」
私たちの心身は、日ごろ食べている食べ物の変化した姿です。どうしても食べるほうに意識が強く、取り入れることに重点をおき過ぎた生活習慣になっています。
食べた物は体の中で消化吸収され、尿となり、便となり、体中の情報を持って排泄されます。尿は小便と書き小さな便り。便は大便と書き大きな便り。言葉通り体からの手紙です。排泄されるものの大切さを言葉の中から教えてくれています。排泄の大切さをもう一度考えましょう。
例えば食べ過ぎたり、飲みすぎたりして具合が悪くなって後悔したことは、皆さんが経験していると思います。取り入れ過ぎたことの失敗です。トイレで沢山排泄したときは、すっきりした、すかっとした気分になります。体は排泄がしっかり出来たほうが気持ちよくなるように出来ているのです。

次回は、健康の原点「排泄」の皮膚(心)のお話。

鍼灸師・整体師・気功師・医療法人福徳栄会理事・上海専家医学研究中心客員教授 八巻滋倶(やまきしげみ)
監修

八巻滋倶(やまきしげみ)


鍼灸師・整体師・気功師・医療法人福徳栄会理事・上海専家医学研究中心客員教授
北海道札幌市出身。治療家として多くの患者の診察する一方で、オリンピックメダリストのメンタルトレーニングやボディケア、大手健康器具メーカーや病院での講演、上海交通大学での講義なども行ってきた。約10年前からは、健康講座を全国各地で開催し、8,000人以上に講習をしてきている。また、薬石を使用したジェル「マイクロウオーターシリーズ」を開発し、皮膚からの健康法を推奨している。