心と体 自律神経
今回は、心と体 自律神経のお話。
自律神経とは自分の意思とは無関係に、血管・心臓・胃腸・膀胱・内分泌腺・汗腺・唾液線等、多方面を支配し、生きていくための機能を自動的に調節している神経です。
食べ物が胃に入り胃の運動で腸に送られ、次に肛門へと送られて行く。止めようとしても止められるものでもないし、動かそうとしても動かせるものでもありません。腸はその時の必要に応じて自ら動いています。暑い時には自然と汗が出て、これも自分の意志ではなく、自動的に汗腺から湧き出るのです。このようにして自動的にコントロールされています。
この現象はやはり神経の統制下にあって、神経によってその動きが強められたり弱められたりしています。心臓の拍動の強弱も、この神経によって支配されています。自律神経は交感神経と副交感神経の2つに割られ、その機能が相互拮抗のもとに、その時の条件に応じて適度の状態を保たれ、この状態のバランスが保たれなくなった時を、自律神経失調症と呼ばれています。
●自律神経に関係ある症状
1.血管運動神経系
・熱感(カッと熱くなる、汗がドッと出る)
・冷え性
・動悸、胸苦しさ
・のぼせ、ほてり
・寒がり
2.精神神経系
・頭痛、偏頭痛 ・冷え性と習慣性頭痛 ・めまい、立ちくらみ ・耳鳴り ・不眠 ・イライラ興奮する ・不安感、恐怖感 ・過呼吸症候群 ・もの忘れが多い ・無気力、脱力感 ・気分が落ち込んで憂鬱になる ・疲れ目
3.運動器官系
・腰痛 ・肩こり ・筋肉や関節の痛み
4.感覚神経系
・しびれ感 ・知覚過敏 ・マヒ
5.消化器系
・吐き気、嘔吐 ・のどのつかえ感 ・食欲不振
6.皮膚と粘膜系
・多汗 ・かゆみ ・口の渇き ・唾液の出すぎ
7.泌尿器系
・頻尿 ・残尿感
8.その他
・疲労感 ・倦怠感
9.自律神経と深い関係症状
・数多くの婦人科症状
10.更年期障害
規則正しく長い年月を継続されていた生理がやがて消え去ってしまったことによって、ホルモンの分泌も終ってしまい、これが自律神経に影響して身体のいろいろなところに不定愁訴が起こってしまいます。これが更年期障害です。
●自律神経のリズムの乱れる原因
1.ストレス性の原因
・環境に対する順応性が弱い ・上手な人間関係を作るのが下手 ・困難を乗り越える精神力がない
2.真面目な性格
・神経がデリケートな為強く胸にこたえたり、驚いたりする。 ・物事にこだわりが強く突き詰めて考える。 ・責任感が強く几帳面 ・規則どおりに物事を進める。 ・遺伝的要素の影響
3.生活のリズムの変調
・呼吸の間違い ・食事のリズム ・睡眠のリズム ・心臓のリズム ・排泄のリズム
自律神経はどのような働きか、その症状と、乱れる原因を挙げました。
次回は、治療経験に基づいた自律神経の整え方をお話します。
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八巻滋倶(やまきしげみ)
鍼灸師・整体師・気功師・医療法人福徳栄会理事・上海専家医学研究中心客員教授