寿ぎのこころ
晴れやかに迎える新たな年、お正月は私たち日本人にとってやはり特別なもの。
寿(ことほ)ぎの心をもってお祝いしたいものです。
松の緑、南天の赤、丸餅の白……
一年中葉を落とさない常緑樹の松は永遠の命を象徴するとたたえられ、歳神様を迎えるための依代とされる門松、また冬枯れの野山を明るく照らす赤い実はよろこびと晴れやかさを表す華やかなお祝いの色。そして古来より純潔、潔白、神聖な色として神事にも使われている白。それは大切な稲穂から作られるお供えとする鏡餅。
お正月には欠かせない日本の寿ぎ。
こんな風にずっと昔から一年の無事を感謝しつつ新しい年の喜びをお祝いしてきたのです。
近年は生活スタイルも変化し多様化しているのですが、それぞれ個々の暮らしにあわせてこのお祝いの形を考えて過ごしたいものです。
例えば花入れの花器はクリスタルのグラスやコンフィチュールの空き瓶で代用。こんな時の緑には大きな若松ではなく、小ぶりの根引き松を飾るのも素敵。
また赤や白を代表して水引を使ったり、お正月に欠かせないお屠蘇の器にはお気に入りのティーポットにお飾りをつけて使用するのも楽しい演出です。陶器でもガラスでも、もちろん銀器でもおしゃれですね。
それから家族そろっていただくおせち料理も大切です。伝統の三肴からはじまりおせちには欠かせない品々……これらもちょっと今風の器や盛り付けに工夫を凝らすことで目先が変わり新しい楽しみがあるように思います。
代々受け継がれてきたそれぞれの家庭のおせち料理、なくしてしまうのは残念です。
せっかくですから、我が家流に少しアレンジしてみてはいかがでしょうか。
日本のお正月。
お祝いの形を寿ぎの心で楽しく伝えていきたいものですね。
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サロン・ド・テーブルUmemoto
代表
梅本 光江
その後、ヨーロッパのフラワーアレンジメントやテーブルコーディネートに関心を持つようになり、インストラクターを取得。
現在、札幌で唯一のお花・お料理・テーブルセッティングを中心としたおもてなしとマナー教室、そしてプリザーブドフラワーの教室を開講。その他、ギフトやウエディングブーケ、ディスプレイなども手がけている。