大切にしたい大和言葉
最近になって日本古来のことば、”大和言葉”が注目を集めています。
春夏秋冬……大自然の贈り物である四季の移ろいを大切にして暮らしてきた先人たちのとても豊かな心を今一度見つめなおして使っていけたらどんなに素敵でしょう。
その大和言葉には「時を表す言葉」だったり「自然や季節を表したり」「人と人とのお付き合いの言葉」だったり様々な場面で使われるのです。
例えば朝まだお日様が出ないうす暗いころから、白々と明るくなりそうな早朝の時間を“あけぼの”と表現し、またこれからおとずれる五月を“菖蒲月”と書いて“あやめづき”と呼んで、なんとも風情のある端午の節句を迎える月にふさわしい大和言葉になっていたりします。暦の上では過ぎてしまった三月の花見月ですが桜の開花で香りやさしく美しい季節で、この桜の花も夜の暗闇の中、満開に咲くそのさまを大和言葉では”花あかり”といいその情景を想像させてしまうほど力のある日本のことばがあるのです。
考えてみるとその多くは“万葉集”の中にみられ、日本人の中にねざしている優しい心配り、豊かで細やかな表現力が、天皇、貴族,官人、防人、茶人など様々な身分の人が読んでいたことを思い出すことでしょう。
先人たちは自然の中にある植物の色や花,朝日の輝きや夕日、月の満ち欠け、吹く風や雨、白い雪。そして鳥やカエルや虫の声……すべての生き物たちと共生し、時の流れをとても大切にしてきたように思います。今は時間の流れがあわただしく、パソコンやケータイでは伝えきれない心のことばを是非こんなに素敵な大和言葉で伝えてみてはいかがでしょう。大和言葉の持つ優しく優雅な余韻は相手の心に温かさを届けてくれるはず!
私も、この5月の連休には、久しぶりに遠くに住む友人が家族そろって来て下さいます。
“ようこそお運びくださいました”なんて……大和言葉をつかってみようと思います。
最後に日本の大切にしたい物、この大和言葉“万葉集”からひとつ……
誰もが知っている「柿本人麻呂」の詠んだ歌。
「しきしまの大和の国は言霊の幸わう国ぞ真幸くありこそ」
この国は言葉が持つ霊的な力によって幸せになっている国、これからも平安でありますように……
日本って素敵!って感じませんか……。
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サロン・ド・テーブルUmemoto
代表
梅本 光江
その後、ヨーロッパのフラワーアレンジメントやテーブルコーディネートに関心を持つようになり、インストラクターを取得。
現在、札幌で唯一のお花・お料理・テーブルセッティングを中心としたおもてなしとマナー教室、そしてプリザーブドフラワーの教室を開講。その他、ギフトやウエディングブーケ、ディスプレイなども手がけている。